福井中小企業診断士協会

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カンボジアの福井県企業を訪問 ―海外視察研修を実施―

2016-02-23

 (一社)福井県中小企業診断士協会では、2月16日(火)~21日(日)の日程で、カンボジア王国プノンペン市周辺地域に進出する福井県企業を訪問する海外視察研修(福井県経営者協会との共催)を実施した。
 チャイナプラスワンやタイプラスワンとして注目され、またASEANの経済統合が進もうとしている中でタイとベトナムに挟まれながら投資に関する制限が緩いこともあり、今後の日系企業の投資が期待される地域のカンボジアについて、現地法人の経営や現地特有の労務問題など、今後の海外展開に必要な現場情報の収集を目的として福井県企業の海外現法や工場を訪問する視察を企画した。
 一昨年のベトナム、昨年のタイに続く3回目の視察会には、当協会の会員6名に加え、経営者協会会員5名、県内各大学の協力により2名の大学生が参加し、合計13名の参加となった。

 主な視察訪問先は、以下の通り。
①ジェトロ・プノンペン事務所
②ジャイカ・カンボジア事務所
③ティナー・ファッション・カンボジア(イーゲート㈱現地法人)
④ハル・プノンペンコミックセンター(春うららかな書房㈱現地法人)
⑤カンボジア日本人材開発センター(CJCC、両国の出資で出来た政府機関)
 また、福井県企業の駐在員を囲んでの夕食懇談会には、上坂会計事務所の駐在員にも加わっていただき、福井県出身者で忌憚のない意見交換を行った。

 ジェトロやジャイカの事務所では、カンボジアの政治・経済情勢や日本企業の進出動向などについて伺うとともに、現地法人を訪問した2社では、各企業のカンボジア進出の経緯や経営の状況、従業員の採用、労務管理面での取り組みなどについて説明いただいた後に、参加者からの質問にお応えいただき、その後工場内をご案内いただくなど、各社とも予定時間を超えた訪問となった。
 訪問先でのヒアリングの内容を整理すると、
①カンボジアは、1993年の内戦終了から近代化の道を進み始め、フンセン首相の下で経済発展をし始めたところ
②カンボジアの人口は1500万人程で、平均年齢は24歳と若く、これからどんどん労働力人口が増えていく
③経済成長率は7%で、一人当たりGDPは地方の農村部を含めた平均1,000ドル程度とまだまだ低いが、プノンペン周辺では工場労働者で月140の最低賃金が決められており、人件費総額では月200ドル程度となっている
④外国企業の土地取得には制限があるが、投資についてはほとんど無制限で、日本人が一人でもビジネスが起こせる環境がある
⑤電力価格は高く、それも縫製業の進出が多い理由でもある
⑥海外からの投資は、ベトナム人の個人ビジネスが最も多く、次いで中国、韓国、日本の順で、最近は貿易や飲食業への投資も増えている
⑦プノンペン市内を始めタイ国境やベトナム国境、港では経済特区(SEZ)が設けられ、工業用地やインフラの提供だけでなく、各種手続きのサービスも纏めて受けられる
⑧上水道は、北九州市の水道局の支援で整備され、日本人でも飲めるくらいに改善されたが、下水道はほとんど整備されていない
⑨カンボジアは土地所有が認められており、プノンペン周辺では、海外からの投資土地を売却した「土地成金」も多く生まれており、資産家が増えて、外車などの販売が好調に推移している

 また、カンボジアの労務管理については、
①カンボジアは熱心な仏教信者が多く、温和な性格だが、まだまだ農業以外の経験が少なく、生産性の面ではこれからに期待
②東南アジアでは共通して叱られた経験が少なく、人前で叱ると辞めてしまうので、コミュニケーションと取り方に工夫している
③従業員の定着を高めるためには、家族と仲良くすることも必要で、場合によっては家庭訪問をしたり、従業員の結婚式に出席したり、お正月などの帰省にはお土産を持たせるなど家族を見方に付けるのが最善策
④家庭の事情で中学や高校へ進学できない若者も多く、採用にあたって頭が良い人をうまく見分けると生産性も高くなっていく
⑤国が最低賃金を毎年引き上げているが、勤続年数に応じて昇給したり、頑張った人にちょっとした手当を出すと、定着率や生産性は徐々に上がっていく

 現在は、縫製や単純な組み立て作業が中心の投資だが、タイを拠点とする企業の工場進出が進みつつあり、今後の経済発展への可能性が感じられた。

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ジェトロ・プノンペン事務所を訪問

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ジャイカ事務所では
日本の支援について伺う

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ティナー・ファッションでは
縫製現場を見学

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ハル・プノンペンコミックセンターで

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