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12月例会で県内SCの現状と今後を学ぶ

2016-12-07

 12月7日(水)18時30分より、繊協ビル805会議室を会場に12月例会を開催、会員27名が参加した。今回は、地域間競争が激化する中での県内ショッピングセンターの状況と「福井方式」と呼ばれる共同店舗の課題について、エルパの佐々木事務局長、福井県中小企業団体中央会の芹沢氏を講師に学んだ。

(1) 「デベロッパーからみた流通業(小売業)の現状と今後」
講師 協同組合福井ショッピングモール(エルパ)事務局長 佐々木国雄氏
 大和田地区にある「エルパ」は、アピタ大和田店が入るフェアモール福井と地元の商業者による協同組合のエルパで構成され、開業から16年を迎える。協同組合の店舗だけで年間250万人がレジを通過するほど、多くのお客様に来店いただいている。
 エルパが開店した当時は、SCはオープン3年目に来店客のピークを迎え徐々に下がっていくと言われていて、現在では初年度をピークに下がっていくものとされているが、お蔭様でエルパは、昨年度開店以来最高の売上を記録し、アピタ部分を含めても過去最高となった。
 要因が何かと特定するのは難しいが、エルパでは年間の休日を増やす取り組みを進めていて、組合員のお店の従業員が休めない状況では、従業員満足度が下がり定着率も下がると、それが売上に大きく影響するのではないかと考え、年間休日を10日に増やしたところ、売上が向上する結果につながった。
 事務局にいて感じることは、組合員は皆さん中小企業で、売上には関心があっても係数はあまりわかっていない方が多いということ。また、給料をすこし上げれば人は採用できると思っていること。実際に店舗を見ていると、経営者が普段から従業員に目を掛け声掛けしている店舗は業績がよく、経営者自らが頑張っている姿を見せている店舗は従業員の定着率も高い。
 エルパと他の共同店舗との違いは、組合直営の店舗を持っていることで、実際に事務局も店舗の経営を行うことで売上を上げていれば、組合員に対しても指導助言を行う際に説得力があるし、組合員も助言を聞いてくれるように変化してきた。
 中小企業診断士の皆さんには、①総論ではなく店舗毎に具体的な指導をして欲しい、②単発の助言だけでなく最終的な結果の検証まで支援いただきたい、③経営者は店頭からなかなか離れられず、ネットワークを作る時間がないので、専門家など連携できる人脈を紹介して欲しい。

(2) 「福井県内の共同店舗の状況と今後」
講師 福井県中小企業団体中央会専門員 芹沢利幸 氏
 福井の共同店舗の特徴は、地元商業者でつくる協同組合がSCを開発し、そのテナントとしてGMSを誘致していったところで、「福井方式」と呼ばれている。昭和52年に最初のSCとして「ピア」が誕生したが、これは当時ダイエーが全国の空き地を物色して、次々と大規模店を建設していた時で、地元商業者がダイエーの出店を阻止するために連携して取り組んだものが、「福井方式」として定着した。
 このような「福井方式」の協同組合SCは県内で11店舗あるが、エルパのような好調な店舗は少なく、ほとんどが空き店舗を抱える状況にある。これは、バブル期に何もしなくても商品を並べておけば売れた時代を経験して、個店経営者が努力することを忘れてしまったからではないのか。
 今、福井の商業者の話題は、来年3月にオープンする小松のイオンモールの影響がどのくらいでるのかで、実際に建設中の現地を見ると、イオンモールだけではなく周辺にカテゴリーキラーが集積し、また家族連れが楽しめる公共施設の整備も進んでいて、SC間というより地域間競争が激化するのではないかと感じている。つまり、買物だけでなく地域が連携して、楽しく滞在できる仕組みをつくらなければ、小松エリアに負けてしまうのではないかと懸念している。
 その中で、福井最古になった勝山サンプラザは、営業しながら3年かけて少しずつリニューアルを進めてきた。リニューアルにあたって、お客様インタビューを行い、それを基に組合員が議論してSCの理念をつくり、それを地域に発信し続けている。社会福祉協議会の職員が常駐して高齢者の生活相談を行うほか、休憩所代りの「まちカフェ」をつくりお茶は無料、コーヒー100円とするなど集まり易い空間を設けている。店内にはリハビリカートを導入して、買物をするとリハビリにつながるような仕掛けもつくり、高齢者にターゲットを徹底的に絞り、地域に求められる機能を提供することで再生につなげた事例もでてきた。
 SCも昔のように、ワクワク感を感じられる場所にしていかなくてはいけない。県内では「アミ」が接客に力を入れて取り組んでいて、周辺にスーパーが出店しても売上が下がっていない理由が、顧客との関係性を大事にし、スタッフがしっかりとした接客をしているからではないか。やはり人づくりが小売業にとって生命線なのではないか。

 お二人の講演の後、当協会会員の笠松誠一氏より、9月22日から2泊3日で、函館市、青森市の訪問と北海道新幹線の乗車及び駅施設見学を行った視察研修の報告を行い、12月例会を終了した。 (視察の詳細は、協会HPに掲載していますので、こちらをご覧ください)

 例会後、講師を務めた佐々木氏、芹沢氏に加え、福井市中心部の活性化に取り組む「えきまえモール」代表理事の竹本祐司氏、まちづくり福井(株)社長の岩崎正夫を交えて情報交換とともに懇親を深めた。

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