福井中小企業診断士協会

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マレーシアの福井県企業を訪問 ―海外視察研修を実施―

2018-02-23

 福井県中小企業診断士協会では、2月10日(土)~14日(水)の日程で、マレーシアとシンガポールに進出する福井県企業や日系企業を訪問する海外視察研修を福井県経営者協会と共催実施し、当協会より4名が参加した。
 アセアンの中で、シンガポール、ブルネイに続く経済発展をとげ、近年消費市場としても注目を集めているマレーシアでは、現地法人の経営や現地特有の労務問題、日本食をはじめとした消費市場の現場情報の収集を目的として福井県企業の海外工場や日系流通業を訪問した。
 また、シンガポールでは長年にわたる店舗経営で確乎たる地位を築いている高島屋を訪問し、シンガポールの消費市場について話を伺った。
 主な視察訪問先は、以下の通り。
①ジェトロ・クアラルンプール事務所
②増永眼鏡マレーシア(セレンバン)
③イオンモール・シャーアラム
④勘八トロイカ店(クアラルンプール)
⑤シンガポール高島屋
 また、マレーシアに工場や事務所を持つ福井県企業の駐在員を囲んでの夕食懇談会も開催し、視察先企業に加え、(株)エイチアンドエフ、信越化学工業(株)の駐在員の方にもご参加いただき、企業経営だけでなく駐在員の生活などについても忌憚のない意見交換を行った。  ジェトロでは、マレーシアの政治経済情勢や日本からの投資動向などについて伺うとともに、増永眼鏡マレーシアでは、マレーシア進出の経緯や製造内容、労務管理面での取り組みなどについて説明いただいた後に、参加者からの質問にお応えいただき、その後工場内をご案内いただくなど、予定時間を超えた訪問となった。
 訪問先でのヒアリングの内容を整理すると、
①マレーシアは、人口3,250万人のうち30歳未満が53%、平均年齢28歳と人口構成が若く、消費市場の拡大も期待できる
②多民族国家で、マレー系が69%、中国系23%、インド系7%を占め、外国人労働者も250万人が働いている(不法滞在者も250万人と言われている)
③経済成長率は5~6%で、一人当たりGDPは1万ドル程度と中進国レベルになり、自動車の保有台数も1,000軒当り400台と、タイの280台を大きく上回っている
④輸出入とも電気機械が第一を締め、中国から部品を入れて組立して輸出する加工貿易が主となっている
⑤マハティール首相時代に、ルックイースト政策をとり、日本の経済発展を参考にして、外資導入、高速道路などのインフラ整備にいち早く取り組んだことが、経済発展を支えている
⑥年間可処分所得35,000ドル以上の富裕層の割合が人口の2割を占め、15,000ドル以上のアッパーミドルを含めると6割に上る
⑦日本の流通業やレストランの進出が増えてきているが、衣料品は厳しい状況が続いていて、飲食系では低価格帯メニューが若者に受けている
⑧一方で、LCCが日本まで飛ぶようになって本物の日本食を食べた経験のある人が増えてきて、日本食を食べる人も増えている
⑨食品では、ハラル認証を気にする人も多いが、認証を採るのは厳格なので、「ポークフリー」と打ちだす日本食店が多い(マレー人が食べに来ていると知ると、自分も大丈夫と思う人が多い)
⑩国営石油会社の配当の国家財政に占める割合が高く、原油価格の低迷が財政赤字につながっているし、各種補助金政策も足かせになっているのが大きな課題になっている
 また、マレーシアの労務管理については、
①マレーシアでは小学校から英語教育をしているので、マレーシア全土の高校卒業者のほとんどは英語でコミュニケーションができる
②一方で、スーパーのレジや飲食店で働く人はマレー語しかできない人も多い(しかし、ブミプトラ政策により、一定割合のマレー人の採用が義務付けられていて、外国人労働者を採用するにもマレー人の人員確保に苦心している)
③経済成長率に合せて毎年5%程度の賃上げを行っているが、マレー人の若者の定着率は低い(特に、製造業や飲食業では、応募者がいない)
④従業員の定着を高めるために、社員旅行や忘年会、家族を招いた運動会などコミュニケーションを深める取り組みを行っている
⑤技術向上に向け日本での研修も取り入れていて、将来は現地法人の運営を任せられるよう人材育成に取り組んでいる
 人員確保の面では課題が出始めているものの消費市場として成長を遂げ、イスラム圏への入り口としても注目を集めているマレーシアの動きを、福井県の企業も注視していく必要があると感じた。

(峠岡伸行)

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ジェトロ事務所では
経済情勢や投資動向を伺う

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増永眼鏡では
労務管理などを中心に懇談

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勘八では
マレーシアの日本食事情を伺う

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イオンモールでは
伝統衣装のショップを充実

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