福井中小企業診断士協会

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平成30年度理論政策更新研修の開催

2018-09-13

 平成30年度の理論政策更新研修は、平成30年9月8日(土)9:00~13:00に、福井県産業情報センタービルマルチホールにて、108名の受講者のもと開催されました。

【研修内容】

1.「福井県における中小企業振興施策について」

 福井県産業労働部企画幹 吉川幸文氏

 ふるさと企業の円滑な事業承継の推進についての政策が紹介された。特に今年度新たに「ふるさと企業経営承継円滑化事業助成金」が設けられたが、「店舗改装・設備導入」伴う助成金は既に応募が予算枠いっぱいとなり、募集は締め切られたが、来年度も継続したいとのこと。一方、「企業価値の評価の委託費」に対する助成金は応募がほとんどないとのことである。また、「福井県の産業・経済情勢」の分析結果が紹介されたが、1996年と2016年を比較して、特に福井県の製造業では、繊維産業や眼鏡産業等、地場産業が大きく減少する中、化学工業や電子デバイス工業・輸送機械工業が大きく伸びており、県外からの進出企業の売上は5,400億円と製造品出荷額の1/4を占めるとのことだった。

2.「中小企業の事業承継」

 事例①「承継に伴う覚悟とビジョン」
 武生特殊鋼材株式会社  代表取締役社長 河野通郎氏

 越前打刃物の素材供給メーカーとして出発したが、クラッドメタルを開発し、八幡製鉄(現新日鐵住金)との間に金属合せ板製造法の特許共有契約を締結する等、ニッチな分野の国内トップメーカーであるが、当初は全く会社の経営を継ぐつもりはなかった。その後、会社に入り、平成24年には専務になったが、現会長が病気になり、また年齢のこともあり、26年に社長に就任した。親族内の承継の場合、親子ではあるが、経営者としての意識の差や衝突もあり、社会的な立場からは会長の言うことを聞くべきというのが常識だろうと思われるが、自分の考える方向性だけは妥協しなかった。親子関係であっても、信念を貫くことは重要であると強調された。今後、チタンへの応用や売上20億円、海外での売上を伸ばすこと、いままでになかった社風の創設や、100年企業を目指したいと力強く語った。

 事例②「伝統を引き継ぐ事業承継」
 有限会社ワークハウス 代表取締役 嶋田祐介氏

 当初、貿易業やIT事業を行っていたが、父親の急死により、急遽障害者の就労支援を営む会社を引継ぐこととなった。父親の障害者の就労に関する思いと多くの従業員を引継がねばならないと思ったとのこと。その後、会社としては社員の雇用の創出のために働く場所を作ることが求められるが、世の中の流れは人手不足であり、会社と世の中の流れを比較すると、雇用のミスマッチがあり、だからこそ、別の分野にも飛び込んで障害者の働く場所を作れないかと考えた。そこに、金融機関からM&Aを提案され、県事業引継支援センターの紹介を受けた。会社としては、各産業で機械化が進む中でも、人の力が必要となる仕事を紹介して欲しいと頼んだ。センター側からは、「どんな事業でも対応可能」と言われても困ると助言されたため、製造ラインでの業務や縫製作業等も実績があると答えた。その後、和菓子製造業の恵比寿堂を紹介され、昨年の12月に工場見学をし、何度も社長の想いを聞いた。トップ同士の意思疎通が非常に大事である。まるで結婚のように「想いの火を絶やさぬこと」と「スピード感を持って行動すること」が大事だと感じた。今年2月は豪雪のため、話が一時ストップしたが、その後とんとんと話が進み5月には手続きをまとめることができたとのこと。テレビで放映された動画等も使い、非常に分かりやすい説明だった。

3.「事業承継支援に係る中小企業診断士の役割」

 福井県事業承継ネットワーク 事業承継コーディネーター 竹川充氏

 事業承継には「親族内承継」「親族外承継(従業員等)」「親族外承継(第三者)」の3パターンがあるとし、親族内承継は最も一般的で、関係者の理解を得やすいが、親族内に経営意欲のある者がいるとは限らないというデメリットもある。親族内に適任者がいない場合、親族外継承として後継候補者を確保できるが、候補者に株式取得の資金力がない場合が多い。適任者が社内にいない場合には、広く候補者を外部に求めることとなるが、希望の条件を満たす買い手を見つけることが困難な場合が多いとのこと。事業承継に向け、自社はどのステップにあるかを見定めながら承継計画を練る必要があるとのことだった。


【受講者アンケート】

 平成21年度より9月開催、午前中開催とし、10年が経過しましたが、約98%の参加者に開催時期、時間共に「適当である」と回答いただきました。
会場についてはは91%の参加者から「適当である」旨の回答がありました。
 講師:講義内容については、各講義で多少ばらつきはあるものの、概ね70~90%の参加者から「大変良い」「良い」の高い評価を受けています。
 研修に関する希望・要望のフリーアンサーにおいても、「このような内容の濃い研修の継続を願っている」、「事業承継をテーマに多くの情報を収集できて大変良かった」、「各講座のダブり感がなく、研修全体を通じて構成が良く練られていると感じた」と高評価。また、「人手不足対策」や「創業支援」等の研修テーマの要望もあり、これらの希望・要望を参考に、今後も充実した研修となるよう、改善してまいります。


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