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12月例会「金沢でインバウンド対策と伝統文化の真髄」を学ぶ

2018-12-10

 12月1日(土)金沢部会との協同による12月例会を開催、会員他19名が参加した。今回は、「金沢でインバウンド対策と伝統文化の真髄を学ぶ」と題して、ひがし茶屋街・お茶屋 藤乃弥での金沢芸妓鑑賞、オリエンタルブルーイング東山店での講話、PLAT HOME Kanazawa Kitchenでの石川・富山出身診断士との交流会と、非常に充実した内容となった。
 観光客が足早に行き交う金沢駅新幹線口に集合し、安江町―武蔵―主計町―浅野川―ひがし茶屋街へと徒歩散策しながら移動した。趣のある割烹・小料理店、昔ながらの商店街、特徴的な建物のイタリア料理店、外国人観光客向けのシェアホテル等、伝統と革新が共存する街並みを肌で感じることができた。
 そして、北陸の冬らしい寒空ながら、観光客で賑わうひがし茶屋街へ入った。戦火や空襲を免れたこともあり、木虫籠(きむすこ)と呼ばれる美しい出格子のある古い街並みが残り、2001年に京都の祇園に次いで全国で二番目に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。

<藤乃弥>
 芸妓のおもてなし・乾杯・歓談の後、金沢芸妓が始まった。文政3年(1820年)から受け継がれてきた金沢芸妓は、担い手が減りながらも、各分野の師匠からの教えの元、稽古が重ねられ、着実に伝統が継承されているとのことだった。まず、地方(じかた)と呼ばれる三味線の音色と歌に合わせ、立ち方(踊り)が披露された。磨き抜かれた伝統芸と艶やかな着物姿に、思わず参加者から感嘆の声が聞かれた。お座敷太鼓は、大太鼓と締太鼓を対にして、落語等で聞かれる出囃子(でばやし)の曲に合わせて、華麗に力強く演奏された。芯のある太鼓の一方、三味線は一曲ごとに調子が合わされ、繊細さを感じる演奏だった。最後には、会員も参加して、太鼓演奏、お座敷遊び(金毘羅船々・虎々・黒田節等)と、まさしく非日常のあっという間の宴席となった。

<オリエンタルブルーイング東山>
 オープンカフェのような洗練された外観の店舗で、伊東店長から特徴や今後の方向性等をお話しいただいた。田中社長がスウェーデンで出会ったマイクロブルワリーに感銘を受け、2016年に創業したビールベンチャーであり、ガラス張りの醸造所、地域素材を生かした地域限定ビール、和傘をモチーフにしたロゴマーク、クラウドを活用したコスト削減を徹底し、今後は自社工場の立ち上げ等、積極的に展開していくと語られた。白桃味のビールや加賀棒茶スタウトを楽しみながら、大野醤油の照焼きチキンピザ等に、舌鼓を打った。外国人観光客の8~9割は欧米系で、アジア系観光客にはまだブルーパブ(醸造所併設の酒場)という業態が浸透していないことが理由と分析していた。ただ、外から見えるタップ(ビールの注ぎ口)に惹かれて入店する外国人観光客も多いとのこと。

<PLAT HOME Kanazawa Kitchen>
 日が暮れ始めた東山を後にして、浅野川沿いを歩き、PLAT HOME Kanazawa Kitchenに入った。ここからは、石川県・富山県協会の診断士5名も加わった。
 オーナーシェフ岡川“ぽんた”氏は、ひがし茶屋街出身で、幼少期から近所の料理人と交流を持つ経験から、自身も同じ世界に身を投じ、100年以上前の古い蔵をリノベーションし、蔵の良さを残しつつ、目利きされたアンティーク家具も揃え、2015年5月創作和食店としてオープンした。トリップアドバイザー等の観光客向けwebサイトで上位にランクインする等、街の中心地から少し離れた場所ながらも、口コミ人気から、女子会や外国人観光客で連日賑わっている。金沢の海の幸等を、シェフ自ら英語で説明し、コミュニケーションを図れることが何よりの魅力となっているのだろう。岡川氏は、ゆくゆくは、東山で割烹を開く夢も持っているのだという。我々も、お造り、サラダ、揚げもの、肉料理等、目にも鮮やかな創作和食コースを楽しみながら、交流を深めた。ワインに合う和食といった印象で、外国人に人気な点は納得ができた。

 訪問した3件に共通するのは、確固たる意志を持ち、それまでに育まれた技術・アイデアを、時代に合わせた形で商品・サービスへ具現化し、コミュニケーションを通じて、適確に顧客に伝えている点だろう。北陸新幹線開業を契機に賑わう金沢の観光地としての外形的な魅力だけではなく、ヒト中心にさらに高められていく実質的な魅力を感じつつ、中小企業診断士として、福井県の中小事業者への今回の知見を活かした支援を誓う例会となった。

(上條 辰徳)

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ひがし茶屋街を歩く

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藤乃弥にて金沢芸妓を鑑賞

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伊東店長による講話

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蔵をリノベーションした
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