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JR九州の観光列車に体験乗車(指宿のたまて箱)

2013-07-30

 連休を利用して九州を訪問し、JR九州が力を入れる観光列車の一つ「指宿のたまて箱」号に乗車してきました。この「指宿のたまて箱」号は、九州新幹線の鹿児島中央駅と温泉で有名な指宿駅を結ぶ2両編成の特急列車で、約55分の行程で、1日3往復が運行されています。
 JR九州の観光列車は、それぞれ外装と客室に個性を持たせており、この「指宿のたまて箱」は海側半分が白色、山側半分が黒色に塗装された特徴的な外装を持っています。
 客室は、山側の座席は進行方向に向かった2列席、海側はカウンターが設けられ、窓に向かって1人席が並んでいます。ゆったりとした車内の印象で、全車指定席ではありますが、この日(金曜日の午後)も満席というアナウンスが流れていました。
   車内の座席、棚、車内販売のワゴン車に至るまで、木の質感が感じられる内装で統一されており、九州の自然を感じる演出の一つともなっています。
 乗車時間の7割くらいは、桜島や錦江湾が眺められ、前半は噴煙を上げる桜島を眺めながら、後半は錦江湾の向こうに大隅半島というロケーションを十分楽しめる眺望ですし、退屈することなく過ごすことができました。
 車内には、女性のグループ客がほとんど(一部、視察を兼ねた体験乗車の男性グループもいましたが)で、カメラや携帯電話を構えながら、ベストショットを狙う光景が随所で見られました。
 ちょっと残念だったのは、従来使っていた車両を改装して使っていることもあって、窓の真ん中にサッシの開閉用の枠が入ってしまうこと。海側の席だと、枠を避けて写真も撮れるのですが、山側席だとどうしても気になってしまいます。
 また、乗車中は沿線景観の見所や観光案内が行われますが、このアナウンスを担当するアテンダントが2名配置され、車内限定スイーツや指宿サイダーなどご当地名物の車内販売と乗車記念写真のサービスを行っていました
 「観光」を考える時、観光地自身の魅力向上はもちろんですが、観光地までのアクセスの利便性や移動の時間をどう楽しむかという点にまでは、なかなか工夫が至らないことが多い中で、JR九州の観光列車の取り組みは、移動自身や列車に乗ることをどう楽しんでいただくかに着目した取り組みで全国的に注目されているものです。
 「指宿のたまて箱」は、「桜島」という観光対象がしっかりあって、移動の目的地としての「温泉地指宿」もしっかりあって、これをつなぐ時間をどう楽しむかを演出したもので、このような見るべき景観が主張できれば乗車自身が観光対象になることができるのではないでしょうか。
 また、この期間が特別だったのかもしれませんが、指宿駅につくと指宿商業高校の生徒さん達の歓迎のお出迎えをいただき、駅舎内では名産の指宿茶がサービスされていました。たぶん就業体験ではないかと思いますが、このようなサプライズも旅の大きな思い出になります。
 もう一つご紹介ですが、指宿駅のトイレの写真です。トイレの入り口にのれんがかかり、駅に降りた時から温泉地を感じていただく演出の一つとなっています。駅広場には足湯もあって、宿泊客でなくても温泉を楽しめます。
 今回の訪問では乗車できなかったのですが、宮崎駅発の観光列車「海幸山幸」についてもご紹介させていただきます。この「海幸山幸」は、宮崎駅と日南海岸にある南郷駅を結ぶ約90分の観光列車で、1日1往復が運行されています。
 日南市の観光スポットの一つである飫肥城へ立ち寄った際に見かけたのが、写真の「にちなん号」。現地で配布されているパンフレットでは紹介されているのですが、「海幸山幸」と連動して沿線の観光地を巡るルートバスを宮交観光(宮崎交通)が運行しています。
 鵜戸神宮や青島などの観光地では、観光の時間をとって運行され、観光列車とルートバスで1日、宮崎の観光スポットを回れるツアーとなっています。
 観光列車の乗車だけだと片道2,250円ですが、「にちなん号」と併せて往復すると2,800円という割引切符が発売され、グループでも1人でも周遊観光できる利便性を提供しています。
 観光列車が注目されがちですが、それと連動した地元の取り組みや仕組みの大事さを感じました。

(峠岡伸行)

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鹿児島―指宿を結ぶ観光列車
「指宿のたまて箱」号(自由席はなし)

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海側に向かって配置された座席

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車窓には桜島と錦江湾が広がる

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車内販売員2名が乗車し
沿線紹介アナウンスも担当

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車内はカメラを構えたり
飲物を楽しむ女性客が多く見られた

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指宿駅では
就業体験の高校生がお出迎え

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指宿駅のトイレも温泉風にお出迎え

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宮崎発観光列車「海幸山幸」に
接続する観光ルートバス「にちなん号」

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