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ベトナムへの進出企業を訪問(海外視察研修レポートその1)

2014-2-24

 研修委員会では、2月12日(水)~16日(日)の日程で、ベトナム・ホーチミン市周辺地域に進出する福井県企業を訪問する海外視察研修(福井県経営者協会との共催)を実施した。
 世界経済の成長点に向けて日本企業のアジア海外展開が加速する中で、福井県企業においてもアジアに対する関心が高まっており、海外生産だけでなく海外市場の開拓に取り組む企業も増加している現状から、現地法人の経営や現地特有の労務問題など、今後の海外展開に必要な現場情報の収集を目的として、福井県企業の海外現法や工場を訪問する視察を企画した。
 今回の研修には、当協会会員及び関係者10名、経営者協会会員企業から7名に加え、県内各大学から5名の大学生が参加し、合計22名の参加となった。
 大学生の参加については、県内各大学が取り組むグローバル人材育成に向けて、産学連携としてできることはないかと検討する中で、実験的に行ったもの。
 主な視察訪問先は、以下の通り。
①ジェトロ・ホーチミン事務所
②ダイム・ベトナム(第一ビニール(株)現地法人)ビンズオン省
③ニッカ・ベトナム(日華化学(株)現地法人)ドンナイ省
④フクビ・ベトナム(フクビ化学工業(株)現地法人)ドンナイ省
 今回、訪問した3社では各企業のベトナム進出の経緯や従業員の採用、労務管理面での取り組みなどについて説明いただいた後に、参加者からの質問にお応えいただき、その後工場内をご案内いただくなど、各社とも予定時間を超えた訪問となった。
 ジェトロ並びに訪問した3社で伺った話を総合すると、ベトナム経済については、
①ベトナムは、人口9,000万人を超え、インドネシア、フィリピンに次ぐアセアン第3位の人口を抱え、平均年齢は27~28歳と若く、将来の市場としても期待できる
②ここ数年、GDPの成長率は全国平均で6%、ホーチミンは10%と安定している
③FTAを10カ国と結んでいるが、TPPによって対米輸出の増加が期待され、中韓からの製造業の移転も進みつつある
④物価上昇に合わせた最低賃金の引上げはあるが、貿易赤字を背景としたドン安によって、ドルベースでの人件費は横ばいと、アセアンの中では安定している
⑤工業製品の原材料はほとんど輸入に依存しているが、石油精製施設や鉄鋼所などの建設で国内生産にシフトを図っている
⑥財政規模が小さくインフラ整備は遅れているが、日本のODAなどで道路や港の整備は進みつつある
⑦物価上昇を抑えるために、高金利政策や物価統制、電力料金の安定を図っているが、景気対策として法人税の引き下げにも取り組んでいる
⑧電力供給は不安定で計画停電もあるが、工業団地では優先供給されたり工業団地独自の発電設備を持って安定供給に努めている
 また、ベトナムでの従業員採用や労務管理については、
①ベトナムは宗教、文化が日本に似ていて従業員が扱い安いが、社会主義国なので政策や法律がよく変更される
②ベトナム人は勉強熱心で、ちゃんと説明すれば理解度も高く、改善意識もある
③従業員の定着を高めるため、福利厚生面(昼食や社員旅行)の充実を図っている
④価値観は日本人と違い、プライドや職権意識が高いので、指導面では注意している
⑤マネージャークラスの採用がカギで、採用後の育成にも力を注いでいる
などのお話を伺った。
 現在、各社とも30~50名程度の人員で操業しているが、今後の生産や販路拡大に向けたビジョンもしっかりと見据えていた。
 また、いずれの工場でも、「報連相」や「QC活動」などの張り紙が見られ、日本的な経営や品質管理の取り組みが行われていたことが印象的であった。

(峠岡伸行)

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ホーチミン市人民委員会の前で
記念写真

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ジェトロ・ホーチミン事務所を訪問

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ダイムベトナムの工場見学の模様

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ニッカのグローバル展開について伺う

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フクビでは管理部門全員で
お見送りいただく

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