福井中小企業診断士協会

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タイの進出企業を訪問(海外視察研修レポートその1)

2015-2-25

 福井県中小企業診断士協会では、平成27年2月11日(水)~15日(日)の日程で、タイ・バンコク市周辺地域に進出する福井県企業を訪問する海外視察研修(福井県経営者協会と共催)を実施した。
 世界経済の成長点に向けてわが国企業のアジア展開が加速する中で、チャイナプラスワンとしても、東南アジアのものづくりのハブ機能としても、タイに対する関心が高まっており、海外生産だけでなく海外市場の開拓に取り組む企業も多く、このような中で、現地法人の経営や現地特有の労務問題など、今後の海外展開に必要な現場情報の収集を目的として福井県企業の海外現法や工場を訪問する視察を企画した。
 福井県内の大学生も参加した海外視察研修は昨年に続き2回目で、福井県中小企業診断士協会会員8名に加え、経営者協会会員企業から13名、県内各大学の協力により7名の大学生が参加し、合計28名の参加となった。
 主な視察訪問先は、以下の通り。
①ジェトロ・バンコク事務所
②福井銀行バンコク駐在員事務所
③バンコクAMC(日本エーエムシー(株)現地法人)バンコク市
④福井鋲螺(タイ)(福井鋲螺(株)現地法人)ラヨーン県
⑤サハ・セーレン(セーレン(株)現地法人)チョンブリ県
 ジェトロや福井銀行駐在員事務所では、タイの政治・経済情勢や日本企業の進出動向などについて伺うとともに、現地法人を訪問した3社では、各企業のタイ進出の経緯や経営の状況、従業員の採用、労務管理面での取り組みなどについて説明いただいた後に、参加者からの質問にお応えいただき、その後工場内をご案内いただくなど、各社とも予定時間を超えた訪問となった。
 訪問先でのヒアリングの内容を整理すると、
①タイの自動車生産は、ピーク時240万台まで行ったが、現在は国内販売、輸出を含め200万台を割っており、これが景況感を引き下げ、日系企業同士の受注競争を激化している要因
②タイ自身の経済成長率は0.8%と低く、アセアンの中では低いが、アセアン全体のGDPでは2020年に日本を超える水準が見込まれ、その中心として成長が期待される
③人件費の上昇、不動産価格の上昇などが近年激しく、物価も上昇している
④タイをマザー工場にカンボジアなどで加工をやって戻すような仕組みができつつある
⑤電力はラオスから、ガスはミャンマーから輸入するなどエネルギー価格は高い
⑥海外からの投資は、日本が6割を占め、最近はサービス業への投資も増えている
⑦新政権は格差是正に向け、相続税や固定資産税の導入を進めており、法人税の減税などの制度もハイテクに絞るよう変更された
⑧財閥系の工業団地では電力供給は安定しているが、工業用水はろ過しないと使えない
 また、タイでの従業員採用や労務管理については、
①タイは大乗仏教で、努力した人が報われるという考え方はあるが、ワーカークラスの離職率が高いのが問題で、熟練技能者が育ちにくい
②タイ人はプライドが高く、人前で叱ると辞めてしまうので、褒めておいて改善を指導するよう気を付けている
③従業員の定着を高めるため、多能工化に向けた技能訓練でスキルアップへの意欲を高めたり、飲み会・社員旅行などで日頃からコミュニケーションを図っている
④仏教に対する信仰心は強いので、工場の入口には神様を祀り、日本人スタッフもお参りするようにしている
⑤大学進学率は46%と高いが、採用にあたっては面接や試験で注意深く選考している
などのお話を伺った。
 それぞれ、進出した時期も理由も異なっているが、現在、自動車に関連した部品等の生産に取り組んでおり、タイでの新規取引先開拓に向け、力を注いでいる状況を説明いただいた。
 また、いずれの工場でも、「5S」や「改善活動」などの張り紙が見られ、日本的な経営や品質管理の浸透に向けた取り組みが行われていた。

(峠岡伸行)

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福井銀行バンコク駐在員事務所が入るビルで記念写真

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ジェトロ・バンコク事務所を訪問

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バンコクAMCの工場見学の模様

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福井鋲螺ではタイ進出時の
FS調査も紹介頂く

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セーレンでは生産・販売状況を
詳しく説明

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