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カンボジアの風景から

2016-03-15

今回初めてカンボジアを訪問し、街なかの風景から感じたところを紹介していきたいと思います。

カンボジアへのルート
 今回、関西空港からベトナム航空を利用し、ホーチミンでの乗り継ぎ(2時間)を含めプノンペンまで約8時間の旅。現地到着は夕方で、ちょうど夕食時になりました。
 福井の企業の皆さんは、小松空港から大韓航空を使ってソウル経由で訪問される方が多いようです。
 現在、日本からカンボジアへの直行便はないのですが、年内にはプノンペンへの直行便が誕生する予定で、益々距離感も近くなるのではないでしょうか。
 カンボジアと言えば「アンコールワット」が最も有名で、旅行ガイドでもタイトルがアンコールワットで小さくカンボジアと標記されているくらい、日本からの訪問者の8割以上がアンコールワットを訪れているようです。
 今回、アンコールワットも訪問しましたが、中国、韓国からの団体客を多く見かけ、春節の時期というのもあるのでしょうが、中韓の海外旅行熱の高まりを実感しました。
 
プノンペンの交通
 街なかで多く見かけるのが、バイクと自家用車で、観光客も利用するトックトック(3輪で4名分の座席付)やバイクタクシーが多く見られます。
 観光地やホテルの周辺には、多くのトックトックが客待ちをしていますが、代金は交渉次第というところがあって、ぼられることも多いようです。
 最近、プノンペンで市内の路線バスがスタートしたようで、普通のタクシーもあるのですが、あまり台数が多くなくほとんど見かけませんでした。
 ただ、プノンペン市内の舗装率は高く、郊外の道路では若干修繕が必要なところみられるもののホーチミンに近い整備状況に感じられた。

農村部からの人口流入
 カンボジアの首都プノンペンは200万人の人口を抱え、近年プノンペン市郊外に増加する工場に働く農村部からの人口流入により急激に拡大しています。
 昨年、プノンペンSEZに進出した日本のミネベアでは、工場拡張に合わせて従業員宿舎を敷地内に整備し、近隣の農村を回って集団就職を呼びかけ従業員を募集しているとのことで、プノンペン工場だけで4,000人になる。
 また、SEZ以外の工場では、近隣にアパートを共同で借りて通勤する従業員が多く、プノンペン郊外の幹線道路沿いにはアパートも多く見られます。
 このような共同生活者向けに食材を提供する露店も朝早くから道路沿いに店をだし、野菜や肉などを販売している。ほとんどの従業員の昼食は、近くの露店に出かけるかお弁当を持参するかで、ベトナムのようなケータリングの話は聞かれませんでした。

プノンペンの高層ビルとゴミ
 メコン川といくつかの河川の合流地点となるプノンペンは、砂地なのか街全体が砂埃でかすんだ印象です。
 しかし、市街地は整備が進みつつあり、最近は分譲マンションの建設ラッシュとなり、日系の不動産会社も進出し、あちこちで高層の建物が見られるようになっています。現在プノンペン市内で70棟の高層ビルの建設が進められているとのことでした。
 一方で、街なかでもゴミの問題が発生していて、朝に大通りにはゴミが集められ、収集車で回収する様子が見られた。
 ジェトロでの話では、まだまだ住民が農村での意識のままで、都市生活に慣れていなくて、都市で必要な公共意識が低く、そのせいでゴミが目に付いたり、交通マナーが悪かったりするとのことで、これから徐々に向上していくのではないかという話であった。
 また、上水道は北九州市の支援で、日本人が飲める水準にまで浄化されているが、下水道の整備が遅れていて、プノンペン市街地を少し離れると水路などにはゴミが捨てられている。
 
活力を感じる通勤風景
 バンコクやジャカルタのような渋滞はまだ見られないプノンペンですが、これから更にバイク利用者が増えることが予想され、今後、交通ルールやマナーの徹底とともに、道路整備の強化が求められていきます。プノンペン市内でも、数か所の立体交差が整備されたことで渋滞が緩和しているとの話も聞かれ、車やバイクの増加に合せた整備が進められていくことに期待したいと思います。

イオンがSC文化を創る
 プノンペン市内にもショッピングセンターは数々あり、まだ市民を対象にした市場も残っていますが、その中でイオンモールの進出は、生活行動や消費に変化をもたらす可能性が高いのではないかと感じます。
 これは、ベトナムのイオンを訪問した際にも感じたことですが、新しくきれいでおしゃれな場所ができることで、買い物はしなくても食事やデートに利用していくことで、ショッピングモールという文化を受け入れるようになり、更に、それが当たり前(最低限必要なもの)に感じるように感覚が変化することで、他のショッピングセンターでは物足りなくなる現象が起こっていくのではないかと感じます。
 豊富な商品や装飾された売り場、試食販売など、これまでカンボジアになかった雰囲気が演出されており、私たちが訪問した平日の夕方でも子供連れのお母さんが多く見られました。
 ベトナムで見られた「お寿司」のテイクアウトは見かけませんでしたが、イートインコーナーには、中華、韓国、ベトナム料理などバラエティあるメニューが見られ、更に、マスクや手袋など衛生面での対応もしっかりされていて、日本のSCよりも清潔な感じがしました。
 プノンペンの平均月収が4万円程度と考えると、女性もののブラウス1枚4千円というのはまだまだ高いものではありますが、GDPの7%成長が続けば、10年後には所得が倍以上に伸びていくことになるので、十分消費の対象に入ってくることになるのでしょう。そんなことを考えながらの進出ではないかと感じます。
 一方で、食品や飲食に関しては、十分市場性はあると思われ、SC内のカフェでは、1.7ドルの値段がつけられたコーヒーショップに並ぶ女性客の列が見られました。
 プノンペンにあるスターバックスコーヒーは日本と同じ350円くらいの値段でも人を集め、最近800円もするコーヒーショップが開店したとの話も聞かれています。

最初は食
 このように消費市場を狙うなら最初は「食」が入り易く、福井県の方で、現地で飲食店を営業している方も何人かいらっしゃるようです。良質な食材の確保には苦労されているようですが、今後、日本やタイとの物流が改善していくと、更に飲食サービスの進出の可能性は高まるのではないかと感じました。
 プノンペンについて、駐在員の皆さんから共通して聞かれたことは、「安全な街」ということで、もう少し日本でのイメージも良くなってもよいのではないでしょうか。


(峠岡伸行)

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ベトナム航空便でプノンペンへ到着

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中韓の団体客が多いアンコール遺跡

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バイクとトックトックで混雑する通勤風景

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沿道には食材を販売する露店が並ぶ

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晴天でも若干霞みが掛かったような空

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イオンモール近くに建設中のマンション

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街角に集められたゴミを朝、
収集車で回収

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メコン川へ繋がる水路はゴミで埋まる

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信号が変わるとバイクが突進してくる

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イオンの食品売場内の試食販売

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イートインコーナーで販売されるお弁当

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コーヒー1杯200円でも行列が

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