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10月例会(越前市周辺 体験視察)視察研修報告

2019-11-01

 10月5日、「県内の各地域における観光を活用した地域活性化策について考えるということで、県内の伝統的工芸や地域産品を再発見すべきと考え、一日かけて体験する」こととなり9名が参加しました。JR武生駅前に集合してバスに乗りまず向かったのが越前焼の館(越前町)での越前焼体験。電動ろくろを回しながらコップなどを作ろうと悪戦苦闘するものの、途中で変形して“芸術品”?の湯飲みが出来上がってしまいました。30年ぶりの体験だけに頭では理解しても、指が全くついていきませんでした。
 元々越前焼は壺や甕、すり鉢などの日常生活道具を作っていたため、明治以降は衰退し、特に戦後は窯元が1軒という時代もありましたが、その後、1971年に越前陶芸村ができたことで再興を遂げることになります。若かりし頃、越前陶芸公園の建設に携わったことで特に思いで深い地域です。当時、今のようなコピー機などはなく、公園のどこに植栽するかなどを考えて、「青焼機」(ジアゾ式複写機)の原図に松や落葉樹などの高木や低木のハンコを一つ一つ一生懸命押していたことを思い出します。
 加藤藤九郎氏の指導により作られた登り窯 (越南窯)も見学しましたが、その大きさには圧倒されます。薪を1000束も使うということで、1束800円としても薪の価格だけで80万円、人件費を加えると200万円にもなるということですが、商品になるのは釜入れした製作品の1/10しかないということで、採算が取れずなかなか稼働できないとのことでした。
 ところで、バリスタ歴20年の山田和則氏監修・司辻光男氏作のコーヒードリッパーでおいしいコーヒーのたて方を教えていただいたY氏、名刺を交換してはじめて互いの名前を思い出しましたが、お互いに年をとりました。というか私が年をくったか。
 そういえば、(株)福井村田製作所と越前焼の関係ですが、戦後、小曽原地区の福井県立窯業試験場内に村田研究所が設立され、窯業部品の電子部品への応用・研究が行われたことがセラミックコンデンサの始まりです。今は窯業試験場は廃止され、工業技術センターに統合されてしまいましたが看板だけが残っています。
 次に越前そばの里(越前市:武生)のそば打ち体験です。そば打ちもこれまでは傍で見ていただけで本格的に打ったことは一度もありませんでした。めん棒で均等にならすつもりが、のし板に張り付いて穴が開いてしまいました。店員さんに聞いたら切るときに短くなるだけで特段の支障はないといわれほっとしました。そば切りはわりとうまくいき、おいしいそばを頂くことができました。ところで、越前そばの里は武生なのに地酒コーナーには丸岡の久保田酒造のお酒が数多く並んでいました。梅酒「BENICHU(紅チュー)」もけっこう並んでいましたね。工場も見学させていただきましたが、途中でそばの塊が機械に引っかかったのか従業員さんが悪戦苦闘されておられました。みやげ菓子は県内のもありますが、圧倒的に加賀市のメーカーが強いようですね。「越前塩」もがんばっておられるようですが。
 次に向かったのが越前打刃物体験でタケフナイフビレッジ(越前市:武生)です。 ペーパーナイフを製作しましたが、これがけっこうえらい。銅板をまずハンマーで叩いて模様付け、それからナイフの形に切断するのですが、これが力がいる。さらに細かくナイフの形にするためにやすりで削るのですが、これがまた力仕事。汗びっしょりとなりました。最後の刃付けは職人さんにお願いしましたが、みなさんまずまずのできだったようです。タケフナイフビレッジでは工業デザイナーの川崎和男氏(大阪大学名誉教授・名古屋市立大学名誉教授)が忘れられません。デザインとは縁遠かった越前打刃物に本格的なインドストリアルデザインを持ち込んだ人です。交通事故で車いす生活となり、お会いしたある時、階段のある建物に入るのに、車いすのどこを持てば安全に運べるかを始めて実地に教えていただきました。
 時間が余ったので、当初の予定にはなかった越前和紙の紙すき体験もパピルス館(越前市:今立)で体験することとなりました。コースターを制作しましたが、流れ作業のようで、乾燥機などの設備もあり10分ほどで出来上がりました。体験教室は昔と比べると非常に簡単にできるようになりました。
 さらに時間の余裕ができたので久しぶりに大瀧神社・岡太神社に参拝しました。社殿は天保14年(1843)に建立されたもので、国の重要文化財に指定されています。拝殿(入母屋造妻入)と本殿(大型の一間社流造)が一体となった複合社殿の檜皮葺きの屋根は葺いてから20年以上経つようで、そろそろ葺き替えの時期だそうです。地元の案内ボランティアの方に500円寄付してきました。その昔、親戚の結婚式に参列し、拝殿の片隅に座ったことを思い出しました。最近は観光客が多いようでバスの駐車場が整備されているのには驚きました。


(和田龍三)

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