福井中小企業診断士協会

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調査研究レポート

魅力あるまちづくりと地域商業の役割に関する調査研究

2005-03-30

●はじめに
私共は、中心市街地活性化に携わっておられる方や中心市街地の商業者の方などに対して、まちづくり推進の一助になればと念じて当調査研究事業に取り組ませていただいた次第である。
まちの魅力を高めるためには、都市が具備している種々の機能強化を図ることが求められる。都市の機能について、小売り、飲食、サービス、居住、コンベンション、行政、文化、金融、医療福祉、教育、交通などが上げられる。
本稿では、これらを各機能について全て検討することはできないので、大きく「リビング」、「ホリディイング」、「ショッピング」の三つに分類して対策を考えることにした。
しかし、「まちづくり」は大きなテーマであり、簡単に分析・整理し結論づけることは出来ない。当報告書においても、断片的な調査研究にしかならなかった点は否めない。従って、「まちづくり」の調査研究は当事業の完了で終止符を打つのではなく今後も継続的に取り組んでいきたい。

以下は報告書より一部抜粋したものである。

●アンケート結果より
 まちのイメージでは「いろいろな店」が36.8%でトップとなっている。また、まちに必要な施設として「おしゃれな店」が40.4%、「商店街」が20.7%と上位を占めている。さらに、まちに住むことで重視したいことでも、「買い物などの便利さ」が48.2%と高率を示している。特に、若者の代表ともいえる学生へのアンケート結果では、まちに必要な施設で「専門店」が61.6%と、トップにあげられていることに注目しなければならない。

●ホスピタリティの発揮
 商業の発展やまちづくりなど、お金をかけることで実現可能なもの、お金をかけなくても可能なものといろいろある。例えば、個性的な店舗、おしゃれなお店などセンスも必要ではあるが、ある程度はお金をかければなんとかなるものも多い。
 では、人がヨーロッパの町並みにあこがれたり、都市といえばニューヨークのマンハッタンをイメージしたりする理由は何なのか。ただ外観の魅力だけなのか、それともそこが持つ歴史やそこに住む人たちのもつ雰囲気やホスピタリティなのか。経済性を考え交流人口といった話題になれば、来街頻度を増やすキーワードは「人」である。人の持つ魅力が地域の持つ魅力に広がり、また新たな店舗や施設の誘致につながるといった核になる人物の存在が重要である。
これまでの事例をみても、やはり中心になっているのは「人」であり、その人の持つエネルギーやホスピタリティが活性化の糸口にあっている。
人がそこで暮らし、楽しみ、働き、また多くの人たちがそこに楽しみにやってくる、そのようなまちにしていくためには、皆さん自身がホスピタリティを発揮し、また行きたい「まち」を作り上げるしかない。「笑顔」と「あいさつ」、まずそこからはじめたい。

●新業態のチャレンジや取扱商品の見直し等を推進する
 中心市街地の店はマンネリ化を打破しなければならない。そのためには一店でも多くの店が、新業態へのチャレンジを行っていただきたい。また、新業態までは追及できない場合には、現在の取扱商品やサービスの見直しを推進することも大切である。このようなソフト面の対策を推進するためには、実践的な研修会を継続的に行うことや個店単位のコンサルテーションを受ける仕組みを整備することなどが不可欠と考えられる。

●環境負荷の小さいまちづくりと商業者の役割
 環境への基本認識と一層徹底した価値観と行動変革が個人・地域商業者に必要になってきている。実際にハイデルベルグやミュンヘンのまちを歩いてみてこれらの徹底ぶりに感心した。例えば、まちの至る所にガラス類、紙、包装類、テープ類の4つに分別された一体型ゴミ箱が設置されており、資源の回収流通が確立されている。また、食品スーパーの店内に入って驚いたのは、飲料物がすべて再利用可能なビンで陳列販売されていることだ。買物袋も各店舗でユニークなものを用意、包装資材の節減を提案実行している。
 郊外開発など都市の拡大を抑制し、移動距離短縮による消費エネルギーの削減や自動車に頼らない公共交通機関の充実など、環境負荷を抑えた都市政策への転換と共に、地域商業者1人ひとりにも先駆的取り組みが大きく期待されていると言えよう。

●「IT革命」への対応とまちづくりへの貢献
IT革命は、我が国の社会構造や産業構造を大きく変化させつつあり、ITという言葉だけが流行している現象では決してありません。もはやITを意識しないでいる企業経営者や小売商業者らがいたとすると、その先行きは絶望的な状況ではないでしょうか。それよりも、経営者はもっともっとIT革命に対して危機感を抱き、敏感であってもらいたいのです。3年先や5年先を予測しようとしても難しいのであれば、3ヵ月か半年後にはITに関連してどのようなビッグニュースや出来事が待ち構えているのか?といった具合に、情報収集し、それが自社にとってどのような直接的・間接的影響があるのかなどと、考えてみてください。まず、「IT印のアンテナを立てて、ITを肌で感じること」から始めましょう。

(社)中小企業診断協会福井県支部

最後になりましたがこの調査・研究にあたって、ご協力をいただいた全ての方に、この場を借りて、感謝の辞を申し上げます。

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