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商業と観光の九州の拠点「博多駅」と対照的な新幹線「熊本駅」

2012-05-25

 JR福井駅から「サンダーバード」、「のぞみ」を乗り継いで、4時間半。連休初日で込み合うJR博多駅に到着し、九州新幹線の全線開業に合わせて開店した、JR博多駅の「アミュプラザ博多」と「博多阪急」の視察と合わせて整備された総合観光案内所を見学した。

 アミュプラザは、JR九州が開発する駅隣接型の商業集積の統一ブランドで、以前、鹿児島中央駅、長崎駅にオープンしたアミュプラザを訪問したことがあるが、今回の博多はこれまで以上のフロア面積と内容の充実が見られた。

 「アミュプラザ博多」の中を視察した印象は、JR大阪駅に先ごろ開業したファッションビル「LUKUA」に似ているということ。開店200日の記念セールの影響もあってか、フロアは人であふれ賑わっていた。

 一方で、同時刻にキャナルシティを視察したメンバーからは、「人もまばらでがらがら状態」との話も聞くと、今後更に、人の流れは交通結節点に開設された商業集積に集中していくことが予想された。

 また、観光総合案内所は、博多駅の長いコンコースの中央に設置され、3方向に開放された窓口をもっている。外国語での案内スタッフも配置され、九州各地の観光紹介パンフレット提供も充実し、まさに九州の玄関口として整備されている。

 在来線と新幹線を、継ぎ足しを重ねて整備した駅施設であり、新幹線の改札口からの視認性は低いが、在来線や地下鉄、バスなどの交通結節の中心として分かりやすい場所に立地している。

 立地を含め地域の拠点となる総合観光案内所の整備事例として大いに参考となるものである。

 一方で、新幹線熊本駅のコンコースは、ガランとしていて若干寂しい印象であった。数年前に視察で熊本を訪れた際に、駅周辺の整備は「新幹線の開業に間に合わない」と聞いていたが、実際に博多駅の賑わいと比較すると、整備の遅れは熊本の印象を悪くしている。

 連休初日の夕方4時の新幹線熊本駅は、人もまばらで、改札口と観光案内所や土産品店との間がゆったりとスペースが取られていたこともより、寂しさを増長させている。

 連絡通路などの整備とともに、休日の観光客向けに改札近くに土産品のワゴンを出すなど雰囲気づくりも意図的に行う必要があるのではないかと強く感じた。(峠岡伸行)

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JR博多駅ビルとイベント広場

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3 方向に窓口を持つ博多駅案内所

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人もまばらな新幹線熊本駅コンコース

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