2013-01-25
2012年7月から飲食店で、牛の生レバーを提供することが禁止された。173頭の牛の肝臓をチェックしたところ、3頭からO157菌が発見されたという。日本では何でも規制され、がんじがらめである。これでまた、食の選択肢が一つ減少し、国民の幸福度が一段と下がる。
愛好家に言わせれば、この世で生レバーほどおいしいものはない。そもそも、美味いものはすべて身体に悪い。松坂牛、うにくらげ、蛍烏賊の沖付け、さるの脳みそ、ソースカツどん、まぐろの大トロ、このわた、タバコ、大麻、覚せい剤・・・。こんな美味いものを毎日食べていたら、だれでも間違いなく早死にする。身体に良くて美味い、そんな都合のよいものなどあるはずがない。危険な匂いがするから、リスクとスリルがあるから、その分喜びが大きいのだ。これまで、生肉ユッケやレバ刺しを食べた人も、注文するときはある程度覚悟を決めていたと思う。
がんじがらめの規制のなかで、健康にいいものだけ食って、ぬくぬくと生かされる。ブロイラーみたいな、そんな人生が、果たして充実しているといえるのだろうか。
(佐治 眞悟)