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ジャカルタ訪問レポート(交通渋滞と動き出す対策)

2013-03-15

〈ジャカルタ名物〉
 "観光地"ではないジャカルタの名物は「渋滞」といわれるほど、道路に車が溢れている。朝晩の通勤ラッシュ時間が中心ですが、特に夕方のラッシュは9時過ぎまで続くようです。
 私たちも、訪問中何度か渋滞に巻き込まれましたが、これも名物だと「体験」してみるのもジャカルタの思い出の一つになるでしょう。
 でも、渋滞の理由を考えると(1)インドネシア全体で道路の舗装率は0.8%と低いこと、(2)この舗装された道路に自動車を並べると、自動車の面積の方が広いという実態、(3)確かに、ジャカルタ市内の大通りは広く舗装されているが、一筋はいると未舗装の細い路地で抜け道がない、(4)おまけに、バイクとトゥクトゥクがそのすき間を走りスピードが出せない、などなどいろいろな要素があるようだ。

〈自動車の普及率〉
 現地で伺うと、ミニバンタイプの自動車が180万円程度、バイクは14万円程度と、平均月収3万円程度の市民には高価な買い物です。でもなぜこんなに自動車が多いかと聞くと、結構、会社で購入して営業等の社員に貸し出しているという。ガソリン価格も、レギュラー1Lが100円程度と安くないにも関わらず、これだけ車が溢れるのは、公共交通が未発達のためか。
 一方で、70万円程度で市民が車を買えるようにと国民車構想を持っていて、近く発表されるレギュレーションを日本メーカー各社は待っているところだと聞く。
 これが発売されれば、さらに渋滞が加速し、一方で高止まりだった中古車価格の値崩れも引き起こし、高級車が売れなくなるのではとの心配も聞かれました。

〈タクシー事情〉
 また、目立つのはタクシーの多さ。ジャカルタとジャワ島の各都市を結ぶ鉄道はあるが、市内の交通はバスとタクシーが中心で、特にタクシーは、「白」「青」「黄」「黒」と料金によって色が異なっています。
 標準的な「青」は初乗り50円、「黒」は高級車を使っている(ベンツやカムリ)ので150円、「白」はコンパクトカーで30円など、それぞれの乗り心地に合わせた料金になっているようです。でも、運転手さんは皆さんとても親切でした。

〈通勤用バス〉
 渋滞の緩和策として数年前に導入されたジャカルタ市内を南北に結ぶ急行バスが、ひっきりなしに走っています。ジャカルタの官庁、ビジネス街を通るタムリン通りの真ん中に、バス専用レーンと乗り場が設置され、大型バスが運行されています。
 ジャワ島全土からジャカルタへの入り口となる北部のコタ駅と南部のブロックMにあるバスターミナルをつなぐ路線で、料金は35円と割安。この中心路線以外にもいくつかの路線が運行されている
 ジェトロの事務所で伺った話ですが、ジャカルタ市内に地下鉄建設の計画があり、2016年に完成予定という。インドネシアのことだから遅れるかもという話でしたが、旅行者にとっては利用しやすい足ができ、渋滞時にもスムーズに移動できるようになりそうです。

 これは余談ですが、乗り物ついでに観光地のコタ地区で見かけたレンタル自転車もついでに紹介します。二人乗り用に荷台にクッションがつけられ、ヘルメット(つば付の堅い帽子)も用意されています。渋滞の多い街なかでは、こちらの方が快適かも知れません。

(峠岡伸行)

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ジャカルタ名物の「渋滞」PM5時頃

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信号待ちの列の隙間に
バイクが入り込む

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日本メーカーの小型車が目立つ
通勤風景

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標準的なブルーのタクシー

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道路中央のバス乗り場と
大型の通勤バス

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専用レーンが引かれ
渋滞時にもスムーズに運行

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