2013-03-29
今回は、食を中心にレポートしたいと思います。
〈実は存在しないインドネシア料理〉
現地で聞くと「インドネシア料理」というのは、本当はなくて、民族と同じように料理もいろいろ分かれているとのことです。バリ料理が有名で、これが一般的なインドネシア料理として紹介されているようです。
最も有名なインドネシアの料理は、「ナシゴレン」という焼き飯で、「ミーゴレン」という焼きそばも有名です。あとは、焼き鳥の「サテ」です。
レストランなどでお勧めされるのは中華料理の方が多く、中国系の人たちも多く居住しているので、あちらこちらに中華料理店が見られます。
それでもイスラム教の国ならではというか、中華料理の主な食材である豚肉を使っていないという表示も見受けました。
実際に、中華料理のメニューも「牛」か「鳥」で、私たちも食事を終って表へ出て初めて「豚なし」に気がつきました。
一方で、日本人ビジネスマンの夜の社交場といわれるブロックM地区の日本食レストランを訪問し、体験してみたのですが、なんとも今一つといった感想。
材料の制約などもありそうですが、まともな日本食はホテルなどの高額なレストランでないとむずかしいのか、と感じました。
しかし、高級ショッピングモールのレストラン街の「回転ずし店」には行列ができ、最近吉野家も出店、日本風から揚げ店もできるなど、日本食が受け入れられてきていることを実感し、まだまだ食のビジネスチャンスが広がりそうである。
〈市場風フードコート Marche〉
グランドインドネシアモールの最上階にあるフードコートが面白い。
果物やコーヒー、アイスクリームや飲食メニューなどをそれぞれのメニュー毎に分かれてオープンキッチン式に目の前で調理し、それをテイクアウトもできるし、いくつかに分けられたテーブル席で食べることもできる「フードコート」になっています。
ネットで調べると、ドイツ発祥でスイスの食文化を紹介するチェーン店で、ドイツやスイスを中心に、アジアではインドネシアやマレーシア、シンガポールで展開しているようだ。
市場(マルシェ)のようにそれぞれの商品を配置し、果物から絞りたての生ジュースを作ったり、注文を受けてから料理を目の前で作るなどのエンターテインメント性を発揮している。
日本式の中心に客席があり、周囲を派手な看板でそれぞれのメニューを強調しあうフードコートに慣れていた私たちにとって、とても新鮮で落ち着く印象でした。
また、決裁の仕組みも面白く、入り口でカードを渡され、買い物の度にそのカードに購入情報を記録、食べ終わった後、レジでそのカードの情報を読み取り精算する、というもの。
是非、日本でもこのような「大人のフードコート」スタイルができないものかと少し期待を込めてご紹介しました(子供も結構楽しめます)。なお、このマルシェでは、子供向けの料理教室なども行っているようで、食への関心を高めることとファンづくりにも力を注いでいます。
〈屋台、露天、行商も〉
ここまで紹介したのは、中間層以上のレストランで、一般の方々は広場や歩道に展開する移動式屋台で食事をすることが多いようです。値段は見ていませんので、いくらとは言えませんが、相当お安くなっていそうです。
出勤時間帯や昼食時には、広場や歩道に三輪車の行商(ちまきやバナナを売っています)や露天商(てんぷらと焼き飯をバナナの葉でつつんだものをその場で作って売っています)があちこちから集まってお店を開いています。
ガイドさんの話では、「水や油が合わないので観光客は食べないように」と注意していましたが、なかなかここで食事をするのは勇気がいることです。
海外に行って失敗するのは「氷」。ついつい冷たいものが欲しくなって「氷」を気にせず飲んでしまいますが、これが一番危ないようです。
(峠岡伸行)
インドネシア料理の定番「ナシゴレン」
入り口には「豚なし」の文字も
SCでは日本風から揚げ店も