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山形県の観光案内所について

2013-06-28

 先日、東北を旅行し、初めて山形県を訪問しました。これまで観光の調査研究を行っていたこともあり、各駅の観光案内所について感じたことをレポートします。

(1)米沢駅観光案内所

 米沢駅観光案内所は、米沢駅1階改札を出て左手の土産物売り場の前にあり、待合室を兼ねていることもあり長椅子が置かれています。カウンターでは常時2名の案内係が対応、奥側に事務所がある模様です。
 訪問したのは、日曜日の朝9時頃ですが、数名の観光客が地図を片手に案内を求めていました。
 駅では、女性グループや初老の夫婦が目立ちました。

 米沢の主要な観光スポットは、米沢城跡にある上杉神社と上杉家代々の墓所の2つですが、大型観光バスの観光客は少なく、少人数のグループ客(家族や友人同士)といった印象の数人連れが多く見られました。
 街全体としては活気がない印象でしたが、「米沢牛」を強く打ち出したガイドマップなどで、歴史と食の街のアピールに力を入れているようです。

(2)山形駅観光案内所

 山形駅観光案内所は、JRの2階改札前の駅東西をつなぐ自由通路の中に箱型で設置され、観光協会が受託運営しています。改札を出て、市街地方向の出口に向かう場所にあって、目に留まりやすい表示も親切です。
 真ん中に駅舎天井からつながる大きな柱がありその周りを囲うように設置され、お忘れ物センターと共同使用となっています(以前、静岡駅で聞いた時もJRの方針は、案内所と忘れ物センターは同じ場所にという話でした)。

 スタッフは、常時2名が常駐(忘れ物センターは別に1名)し、観光案内に加え、無料の貸し自転車の貸し出しサービスもありました。
 訪問した日は、「さくらんぼまつり」が行われ、中心街は賑わいを見せていました。福井市と同じ人口規模の割には、中心街(商業も業務機能も)がしっかりした印象でした。
 一方で、仙台と山形を結ぶ高速バスが15分間隔で運行され、片道900円、所要時間1時間15分という近さは、いろいろな面で影響を及ぼすのではないかとも懸念されます。

(3)山形駅西口の霞城セントラル内の観光案内所

 山形駅西口に2001年オープンした再開発ビル「霞城セントラル(24階建)」の中にあるのが「やまがた観光情報センター」で、山形県が運営する県内観光情報の発信拠点となっています。
 再開発ビルの中には、民間企業のオフィス、ワシントンホテル、公共機関や団体のオフィスに加え、県立定時制高校も入居し、山形県主導で進められた再開発であったのではと感じました。
 その1階にあるのが「やまがた観光情報センター」で、県内各地のパンフレットを置き産品の紹介を行っています(即売はないようです)。
 スペースは広いのですが、日曜日なのに余り観光客などもおらず、閑散とした感じで、駅を挟んで市街地と反対側であることも理由として考えられます。
 このビル自身、24階に展望台を持っていますが、市街地側でのPRがなくて知っている人が少ない様子で、それ以外観光的な要素がないこともあってか、観光情報センターを訪れる人も少ないのではないかと感じました。
 今回、山形駅、米沢駅の観光案内所を訪問しましたが、広さよりも場所の重要性を強く感じました。
 個人や少人数のグループ旅行が増加する中で、観光に関する情報はネット等での収集にシフトしていますが、一方で、現地に行かないと、現地の方でないとわからない詳細な案内やサポート、お勧め情報などが提供される場所、困った時に尋ねられる場所が、観光案内所に求められる役割ではないでしょうか。
 (1)見つけやすい場所(わざわざでない)、(2)信頼できる情報提供(地元ならではのお勧め)、その上での(3)接客応対力、と求められるものは益々高まっていますが、活用される案内所となるためには外せないポイントです。

(峠岡伸行)

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