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旺盛な消費意欲を体感~ベトナムのイオンモールを訪問~

2014-3-20

 2月に実施したベトナム視察の際、県内の進出企業とともに、この1月にオープンした「イオンモール・タンフーセラドン」を訪問しました。
 そこで、イオンモールの中の様子と地元の皆さんの消費行動を通して感じた点を紹介します。
 訪問したのは、土曜日の夕方5時頃で、多くの地元の方で賑わっていました。
 最も混雑していたのは、1階の持ち帰り寿司店で、一貫ずつ包装された握り寿司をパックに詰めてレジに並ぶ行列が長く伸びていました(セットよりチョイスできる方が人気)。
 同じように、キッチン・ジャパンと名付けられた丼物やうどん、鍋を販売するお店も、目の前にイートインコーナーを設けていることもあって大賑わいでした。
 隣にあるお好み焼きのテイクアウト店も大人気で、日本食に対する関心の高さを感じました。
 一方で、レストランを見てみると、5時という時間もあってか人の入りはまばらで、フードコートやイートインコーナーを使っての手軽な食事の方が、価格的にも支持されているようです。
 ちなみに、フードメニューの価格を見てみると、焼き立てパンは40円、寿司は一貫25円、ハンバーガーセットは170円、ハンバーグランチは700円など、日本と比較すると半値から4割程度といった印象ですが、現地の平均的な収入が月3~4万円というのを考えれば、相当高額となります。
 次に、サービス価格を見てみると、映画館は500円、散髪屋も500円程度、幼児連れで遊べる子供遊園地は入場料250円と、こちらも食品と同じように半額~4割程度となっています。
 ダイソーや大阪KOMONOYAという均一価格ショップも入っていますが、こちらは約200円と日本の倍の価格設定になっていますが、それでも「日本の製品は良い」というイメージが浸透しているため売れているようです。
 現地の日本語ガイドさんとお話していると、家電製品を買う際にベトナム人は「中国や韓国製品は安いが、どうせ買うなら高くても品質の良い日本製を選ぶ」傾向があるという。ちょっとした見栄もあるようですが、この辺りも日本人と似ているのかも知れません。
 一方で、洋服やバッグなどの高額商品を扱う店舗には余り人が入っておらず、こちらはまだまだ消費が追いついていない様子。年間通して日中は30℃となるホーチミンでは、衣料品の買い替えがあまり必要ではなく(東南アジアに共通)、またおしゃれして出掛ける場所も少ないことも要因と考えられるが、食に比べるとまだまだ関心が薄いし、手が出ないというところではないでしょうか。
 旅行経験が少ないベトナムの人たちにとっては、イオンモールへ出かけることがレジャーになりつつある。家族にとっては休日を過ごす場所に、若者にはおしゃれしてデートする場所に、といった日常の生活の場面で使われる「ショッピングモール」という文化を、ベトナムに輸出しているのではないかとも感じた訪問でした。

(峠岡伸行)

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概観も内装も日本のイオンモールと同じ

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持ち帰り寿司店には大行列

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丼物から一人鍋まで幅広いメニュー

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フードコートも家族で利用

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幼児が安全に遊べる有料コーナーも

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プラモデルやミニカーも
販売しているが・・・

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おしゃれして記念写真を取る
若者グループ

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