福井中小企業診断士協会

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東北の被災地とまちなか観光施設を訪問しました

2014-11-10

 福井県中小企業診断士協会では、東日本大震災の被災地である宮城県石巻市、東松島市やまちなか観光施設で誘客を図っている山形市を訪問する視察研修会を、平成26年9月21日(日)~23日(火)の2泊3日で実施し、8名の会員が参加しました。
 今回の視察では、被災地の復興の現状を体感するとともに、福井市と同規模の山形市の観光をキーワードに取り組まれている民間開発と行政を中心に取り組んでいる施設の見学を中心に、まちなか観光について考える企画として実施しました。
 以下に、それぞれの視察で感じた点をまとめて紹介させていただきます。

【東北視察レポート】
1.宮城県の被災地視察
 語り部タクシーを借りて、石巻、東松島を訪問し、被災地の状況を視察した。
 石巻では、一面に雑草が生えた広っぱしか見えず、ここに街があったことはわずかに残ったコンクリートの基礎で感じられるのみ。
 自らも被災者の語り部タクシーの運転手の方のお話で、震災当時の状況とともにその後の復興に向けた動きを感じることができた。
 石巻では、津波対策のため5mのかさ上げ工事を行わない限り再び住宅が建てられない制限が掛けられているにも関わらず、そのかさ上げ工事が進まない現状にあり、一方で、東松島では大規模なかさ上げ工事は進んでいるが、工事後は公園として活用する予定であり、本当の復興にはまだまだ遠い現状にあると感じた。
 松島の帰りに訪問した塩釜漁港の復興市場は、観光客で賑わっていたが、地震で陥没した施設は手つかずで、仮設の復興市場も移転先が決まらないままもう少しで取り壊しになる予定と、地元の方にとっての復興の実感はまだまだ先のようだ。



2.山形市の観光まちづくりの取組み
 山形市では、市が整備した街なか観光施設の「紅の蔵」と民間出資で開発した歴史を活かした商業施設「七日街御殿堰」開発の特徴ある2施設を訪問し、それぞれ施設の設置経緯を含め説明をいただいた。
 「紅の蔵」は、紅花商家の建物を活かした飲食・土産品・農産品販売に、文化や歴史の紹介を加えた街なか観光拠点で、山形市が設置し、専任スタッフを置いてイベントによる集客に力を注ぎ、仙台など周辺地域より観光客を多く集めている。
 一方で、「七日町御殿堰」は、保険会社の支店撤退にともない跡地を地元で活用するため、地元の商業者が出資者を集めて実現した歴史を感じる商業施設であり、株式会社方式で施設の設置運営を行っている。経営面では厳しい状況にはあるが、発起人となった社長の意気込みというか覚悟が、多くの人の協力を集めるとともに、多くの観光客も集めている。

 なお、山形市の取り組みについては、11月26日に開催する当協会11月例会で紹介する予定ですので、皆様のご参加をお待ちしております。

(峠岡 伸行)

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