2016-03-17
1.カンボジアの基礎データ
2.カンボジアの諸事情について
○国土面積:日本の約2分の1でほぼ平野で構成(山が少ないことが特徴)
○国境:タイ、ラオス、ベトナムの3か国
○人口:1468万人で人口増加率は1.2%(日本は△0.1%)
○民族:クメール人が90%、チャム族、ベトナム人、華人、他少数民族
○総労働人口の65%が農業に従事しており、その多くは稲作である
○宗教:比較的寛容(日本と同様)
○平均寿命:72歳
○平均年齢:24歳(日本は46歳)
※今後は人口増加に歯止めがかかり高齢化社会の到来が予測
○宗教:比較的寛容(日本と同様)
○道路:舗装率は約11%でベトナムの66%に比べかなり低い
○水道普及率:プノンペンは100%(ただし飲めるかどうかは不確定)
○乳児死亡率:日本の20倍以上で妊産婦死亡率も50倍以上
○地雷:除去が必要な面積は東京23区と同じくらい
※ただし、地雷被災者は186名で交通事故は1966人(地雷の約10倍)
○米生産量:2005年の約2倍で国内消費分を上回っている(質の向上をJICAでも支援)
○経済性成長率:7.0%(ミャンマー7.7%、ラオス7.4%)アセアン諸国で3番目
○主な産業:農業、縫製業、建設業、観光業
○外資投資状況:中国や韓国、その他ベトナム、タイ等が積極的に投資し、ビル等を建設。※その結果、土地が高騰化している。
○地方格差:プノンペン都市部の経済発展が顕著(所得の急激上昇)
○人材確保:内戦により30代の世代が極端に少ない→中間管理ができる人材が少ない
※進出にあたっては、優秀な人材を見つけ出せるかどうかがポイントである
○水害状況:周辺諸国よりも良く、洪水も水面が高くなく、一晩で解消される
○その他:軽微な犯罪は多いことと、病気率も意外と高い
3.急成長を続ける東南アジア諸国連合(ASEAN)の消費市場としての注目
2016年にはASEAN ECONOMIC COMMUNITY(AEC)が本格始動する。今後もASEANへの注目度が高まっていく中、隣国であるミャンマーの市場経済の参入、中国の人件費高騰を受けてのチャイナ・プラスワンの動き、順調に拡大する経済発展を背景とした消費市場としての注目度がますます高まってきている。
カンボジアを含めたASEAN地域に進出する企業は、これまでの製造業だけではなく、流通・小売・外食・サービス・物流業などのあらゆる業種に拡大していくことが予想される。
4.ASEAN経済発展のための道路ネットワークの整備
経済的に2030年には、中進国入りを目指しているカンボジアにとって、南部経済回廊(道路)の整備による経済基盤の強化が必須となってくる。日本の支援としては、昨年つばさ橋の整備によりベトナム側への国道1~9号線の約11%(約250km)のアスファルト整備が完成している。
東南アジア諸国連合(ASEAN)が統一に向けて動き始め、交通網においてはミャンマーがベトナムのダナンから続き東西経済回廊の終着点となり、タイのバンコクから南部経済回廊もミャンマーのダウェーとつながることが予定されている。
隣接国であるミャンマーは中国・アジアとインド、アフリカを結ぶサプライチェーン上の拠点となりつつあり、今後もベトナムとタイを結ぶカンボジアの道路の整備がASEAN経済発展のために必要不可欠となってくる。
(加藤永俊)
日本のODAで建設されたつばさ橋