2018-03-13
首都のインフラ整備
マレーシアの首都、クアラルンプールと言えば「ペトロナスツインタワー」が象徴的に映像なので紹介されていますが、実際に行ってみると、郊外にも高層マンションが立ち並ぶ風景を見ると、ASEAN第3位の経済発展を遂げていることが、実感ができます。
クアラルンプールの中心部では、いたるところで高層マンションやオフィスビルの建設を含む再開発が進みつつあり、ブランド品店を集めた高級ショッピングモールも賑わいを見せています。
今回の訪問時は、中国の春節の直前の時期ということもあって、ショッピングセンターの入り口やイベント広場には華やかな装飾が付けられ、また中国を始め韓国やインドネシアからの観光客も多くみかけました。
また、市内にはモノレールが走り、地下鉄網も整備途中で、郊外の住宅地と市街地を結ぶ通勤の足が整いつつあります。
その効果もあってか、東南アジアに共通する名物の“渋滞”も、ジャカルタに比べればやや緩和されているのではと感じます。
マレーシアは、1,000世帯あたりの自動車保有数が400台と、タイの280台を大幅に上回るにもかかわらず、渋滞が多くないのは、バスを含めた公共交通インフラの整備が進んでいることと、穏やかな国民性があるのではないでしょうか。
高速道路整備が発展のカギに
マレーシアでは、マハティール政権の下で、外資導入による工業化や高速道路、港湾整備といったインフラの整備を推進したこともあり、タイやベトナムと比べても先進的な経済発展を遂げています。
今回初めてマレーシアを訪問し、高層ビルが立ち並ぶクアラルンプールだけでなく、郊外に向かう車窓からも、テラスハウス(長屋型住宅)が多く見られたり、高層のマンションが建築されていたりと、住宅インフラも整備が進んでいる姿が見られました。
所得の上昇が、自動車保有台数の増加、更に住宅の取得へと次々と生活を向上させる耐久財購入へとつながる経済成長のモデルを感じる光景でもありまし、東南アジア特有の「将来に向けた貯蓄より、今の消費」という考え方が、経済発展を支えているのでしょう。
タイやベトナムの駐在員の皆さんにお話を伺うと、「バンコクやホーチミン市内でないと日本人は生活できない」と聞くが、マレーシアでは郊外に住んでも、車さえあれば(旧英国領だったので右ハンドル)十分な生活できる環境にあると話している。
課題は人手不足
このようなマレーシアでも人手不足は深刻になりつつあり、ブミプトラ政策によりマレー人を一定割合雇わないと中国系や外国人労働者を雇えないという難しい中で、製造業や飲食業は人材確保で苦労しているとの話が共通して聞かれます。
マレーシアの帰りにシンガポールに立ち寄ったが、ここでは自動車の「自動販売機」が最近注目を集めています。
ここまで行くと行きすぎな感じがしますが、日本でもこれくらい大胆な発想の転換が必要なのかも知れません。
(峠岡伸行)
ペトロナスツインタワーとSC
春節飾りで迎える
高級ショッピングモール
市街地をつなぐモノレール
地下鉄の工事が進む市内
高速道路沿いに新築された
テラスハウス
高級外車と住宅団地が見られる郊外
中古自動車の自動販売ビル