コンサルティング事例

得意分野を生かしたチーム支援による事業計画の作成

2020.01.01 投稿津田 均

得意分野を生かしたチーム支援による事業計画の作成

案件概要

依頼内容
ITによるシステム構築支援
支援期間
約3ケ月

診断前の状況

当社は魚介類の市場取引におけるビジネスモデル特許を取得し、ここ10年間の間に福井県、国(近畿経済産業局)などからの支援を得て、中央卸売市場での取引に関する入荷情報発信システム、受発注システムをほぼ完成させることができた。そこで、本格的にシステムを導入する時期に入ったことで、投資を依頼する企業・ベンチャー・金融機関向けに事業計画を作成することとし、当福井県中小企業診断士協会に依頼があった。
また同時に会社名、事業内容を変更して、投資を期待できる形づくりとしての会社変更の依頼を受けたものである。
当社は市場、システムには詳しいものの、事業計画作成は苦手としており、早期に作成し事業展開を図りたいという意向であった。

提案した内容・ポイント

事業計画作成にあたって留意した点は、

①市場内の取引を正確に伝えること(これは、事業計画を読む人にも知識がないことが予測されるためである)
②システムの有効性(導入によって導入した中小企業にどのようなメリットがあるのか)を伝えること。
③またこのシステムの導入が、日本の中央卸売市場の活性化につながり、魚介類の流通に留まらず、野菜(青果)、花(花卉)へと広がっていくこと。
(ひいては、ともすれば縮小しがちな市場内流通の拡大につながっていくこと。)
であり、社会的に求められている事業で、全国展開が可能なシステムであるということである。
これらを広く知らしめていけるものという事業計画づくりであった。

診断後の状況としていかがでしょうか?

事業計画はほぼ3ケ月の期限で4章構成として完成させた。関係してくる企業群の必要性を意識して、4章構成としたところである。
<企業から>
とても喜んでいただき、早速投資育成会社、ベンチャー、金融機関へと事業内容の説明をしている。同時に導入も並行して進めているので、市場関係者の間でもこの事業計画の内容が進行の中心となっている。
<診断士から>
5名のメンバーで協力して行った計画作成事業である。市場に詳しい専門家、投資・財務の専門家、営業戦略の専門家、ITの専門家、国、県の制度活用の専門家の5人である。役割が明確であり、5人が熱く語り合ってできた計画作成であり、当社社長にも厳しく注文を突きつける部分もあり、白熱した中で支援を終わったことになる。
今後とも当社は多くのハードルを乗り越えていくことが必要な状況であり、継続的な計画実行支援について検討しているところである。